マニアじゃないってば その2
で、前回の続きです。
死体とご遺体 夫婦湯灌師と4000体の出会い
著者: 熊田 紺也
出版: 平凡社(新書)
この本を買った動機なんですが、 祖父の葬儀を行った時、納棺の前に「湯灌」というものがあったんです。手っ取り早く言えば、納棺の前に、遺体をぬるま湯で洗い清める行為です。
今まで、何人かの親戚の葬儀に携わっておりますが、湯灌を実際見るのは初めてだったので、もう少し詳しくお仕事の中身を知りたかった…というのが理由です。
単なる好奇心と言ってしまえばそれまでなんですが(^^;
この本は、現役の湯灌師の方が書かれた本で、起業の経緯から、現在の仕事内容まで、詳しく綴られてます。内容は至って実直に、淡々とした感じで書かれています。
結構、この手の遺体を扱うお仕事には、偏見が付きまとっているようですが、本来は遺体と遺族の両方に向き合わなければならない、大切なお仕事のはず。
私も、祖父の湯灌に立ち会った際、だんだんと湯灌を行う中で、緊迫していた空気が解れていくのを感じました。あの湯灌が無かったら、張り詰めていた空気の中で葬儀が進んでいたんじゃないかなぁ…。
いい雰囲気の中で葬儀ができたのは、あの時の湯灌も少なからず影響していたと思っています。
そういった親しみと、敬意を込めて、少しでも多くの人がこの本を読んで、湯灌に理解を示すようになってくれるといいなぁ…と感じました。
また、人生で何回立ち会うか分からないくらいの、葬儀の前段階。
あらかじめ心構えをして、大切な人を送る時に後悔がないよう、湯灌やエンバーミング等の予備知識としても、この本は最適かと思います。
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